seek for sounds, step into forms...

* * * * * 色とともに生きる共感覚者から * * * * *

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上に向かい、下をながむ

私は時間単位のほとんどに特有の色や形を知覚している。これも自分の共感覚の一つ。
年、月、週、日、時間・・・どれも螺旋構造をしている時間の形の中を歩いているような感覚だ。
時計回りの上昇螺旋の中を延々と昇り続けるのが我が人生、というのもなんだか笑えるが。
時間の形をじっと見つめると、時間を知覚するということがいかに神秘的なことかによくわかる。

螺旋とははっきりわかってはいるのだが、本当のところ20数年間の形を外から見たことはない。
どんなに過去を遠くから観察しようにも、「現在」に自分のしっぽがくっついたままだからだろう。
常に螺旋階段の頂点に自分が立っているようなもの。別に次なる一歩は見えていないけれど。
もう四半世紀分を生きたことになる。記憶にない自らの誕生はちょうど地面のあたりにある。

毎年手帳や卓上カレンダーを性懲りもなく買っておきながら、もうほとんど使わなくなってきた。
まだ高校に通っていた頃は「社会的な時間の形」に合わせて生きるため下降螺旋を必死に覚えた。
手帳に予定を書き込み毎日確認するだけの行為、自分の知覚の否定を意味していたのか?
不思議なことにそれだけとは思わなかった。螺旋が上下に壮大に広がっていく様といったら!
重厚なパイプオルガンで奏でられたカノンのようにそれは美しかったのだな。今もそうだけれども。

いかに自然なものであるか、時間の共感覚はそんな点で実に興味深い。しかし、
逆に難点もある。その構造は非常に脆いものだから。共感覚が薄れると時間も消えるもの。
螺旋上の色つきの領域から色がなくなるのは私にとってはもはや恐怖に近いことだ。
無論、時間の共感覚を喪失する怖さをここに書くのは実際に自分の身に起こったことだから。
それがどんなことなのか、を書くのにはまだまだ時間が掛かると感じている。あまりに惨い記憶。

時間の形が螺旋であること、どことなく私の時間存在の受け取り方に重みを加えるらしい。
廻れば廻るほどその重みが増す。子どもの頃は「これぞ成長ね!」と可愛らしいことも考えていた。
がしかし、生きてきた中でぽっかりと時間の記憶のない部分があるとこれはどうしたものか。
あたかも振り子のおもりを取ってしまったかのように、思い出が急に記憶の中でふらついてしまう。
時間の記憶がしっかりと、ずっしりとそこにあること。これほどに深い意味を持つことはないのね。

そんな「時間の軽量化現象」を自嘲することもある。アートにすればけせらせら、だろうから。
私のカレンダーの中をいくつもの数字が浮遊していく。まるで過去を知らないかのように平然と。
はて、おまえたちはどこへ行く気なのかね、と物言わぬ数字どもにお尋ねしたいのだがな。
皮肉たっぷりに、と思ってはいてもデフォルメの海は私よりもずっと強かった。そして共感覚も。
せめても、ランダムに並ぶ色つきの数字たちは未来永劫このままであってほしいもの。

柔らかなソファーにどっしりと腰を下ろしたが如く自分の時間世界をゆっくり見渡しては嘆息する。
消えた世界が戻ったことを安堵し、喜びつつも恐怖を忘れることはできまい。それが現実だ。
あの訣別から何回螺旋を廻ったのだろう?踵を返し、斜め下を見る。ああ、それさえ見えていない。
螺旋の数だけ25個分色づいてそこにあり、記憶はないのだと思うと何だかとても切ないね。

さてさて、来月は新緑の美しい真っ赤な5月。今月はピンクの桜咲くこれまた真っ赤な4月でしたが。
漢字の月は青いのに、英語とオランダ語の5月はMで始まるから赤い。実におもしろい。
いつ私が言葉と時間を対応して考え始めたのか教えてくれるだなんて不思議なことだ。
いやはや共感覚さん、そこまで教えてくれてどうもありがとう、なんて呟きたくもなりますよ。


Mei is niet groen, maar donkerrood
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  1. 2008/04/24(木) 01:14:49|
  2. らせん と じかん
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178773

Author:178773
ある共感覚者のひとりごと。

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