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* * * * * 色とともに生きる共感覚者から * * * * *

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聴く色彩、見る色彩

共感覚の研究の中で文字の色彩が扱われるのは今では一般的なことになっている。
実際、文字→色彩の共感覚を持っている当事者が多いゆえにこれは必然とも言えよう。
厳密には書記素に関わるものか、音素に因るものかでこの共感覚も分類されるのだが、
これらの違いをありありと感じている共感覚者はそうは多くないだろう感じることがある。
文字を読むという、ある種普遍的行為を疑うこともなければ生まれない発想とも言えよう。

時に、私は生まれ付き脳の機能に障害があるらしく、何語であっても文字が読み難い。
俗に言う読字障害というものだろうが、そんな事実も25年以上知らずに生活していた。
あくまで私の仮説だが、文字の読み難い共感覚者は文字→色彩の共感覚が一様にして
強くなるのではないかと考えている。なぜなら、ヒトは読み辛くても読もうとするものであり、
代替手段だろうが何だろうが、社会的に辻褄を合わせることで安堵する生き物だからだ。

私の場合、文字と発音の間にはアマゾン川とまで行かなくともそれなりのモノが流れており、
隔たりと言えば隔たりがあるのだろう。文字の色と話し言葉では色彩が異なることもある。
どうやら共感覚者の中には書記素と音素の色の一致が見られる場合もあるようなのだが、
私は小さい頃から種類が多かったので、逆にこれを"好条件"と考えることもあるほどだ。
共感覚に常に一貫性がある訳でもなく、振れ幅が大きければ適応できることも増えよう。

仮名文字とて平仮名の共感覚と片仮名のそれとの間で色彩が異なるのは珍しいらしいが、
実際、これも読み難さのもたらした恩恵であって、海外経験ゆえに生じた変異ではない。
西洋文字より先に二種の仮名文字を学んだのだから、これは当然の事実だと感じるが、
私としては個々の形に宿る色彩を大切にしたかったからこそ仮名文字に拡がりがある、
とそんな自負があるほど。だからこそ、合理化されずに生き残った子どもらが此処に居る。

多様性を受け入れるのにはそれなりの苦労もある。皆を平等に扱いたくなるからだろう。
一見して、同じ色彩しか感じないはずのゲルマン系言語でさえも色合いの違いがあり、
それは決して統合できないものだ。聴く色彩と読む色彩、一緒くたには出来ますまい。
無論、これは色彩的な拡がりをどこまで感じられるかという感性の問題かもしれないが、
私がオランダの地で日々感じていた色彩は思いの他ゆたかで心地良いものだったのだ。

訛りのある言語を見たり触ったりするのは私独特の趣味で、共感覚なしには成立しない。
一般化してしまえば、ラテン文字はほんの一握りの共感覚世界しか存在しないが如く。
さりとて音素の窓は殊の外広く、合理化されていないものらの生き方も見せてくれよう。
文字へ簡単には近づけなかった私だからこそ、多くの色彩に偶然出会えたのだろうか。
そうしてみると、幼少時の苦い思い出が後の日に壮大な景色を描かせたのだと感じる。

言語の発音にうるさくなる自分がいる。これは断じてキコクゆえの性分とは言えない。
寧ろ、共感覚者としての色彩への敬意だろう。生ける者は生かすのが筋ではないか。
視覚優位の日本語、聴覚優位のゲルマン言語、などと片付けるのは甚だ惨い話だ。
実際問題、時を経ることで絵の具の使い方を覚えた言語があるのもこのゆえであり、
より深く感じたいと思ったからこそ無駄に思えた熟成期間が必要だったのかもしれない。

よくよく考えてみれば、今の私が読む英語もオランダ語も原色系はほとんど居ない。
何を隠そう、誤診発覚後のこの二年の間でさえも色彩は変化している。なぜだろうか。
生活習慣の移り変わりにより共感覚も一様に変化を遂げる生き物とは言い切れないが、
脳の可塑性との二人三脚で私が蘇生させた共感覚はここ数ヶ月でも幾つか在るのだ。
少なくとも、それは私個人の中の生への執着心の回復と共に再会した者等ではないか。

Eindelijk, je kwam terug.
  1. 2009/04/25(土) 10:22:41|
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  3. | コメント:0
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