seek for sounds, step into forms...

* * * * * 色とともに生きる共感覚者から * * * * *

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  1. --/--/--(--) --:--:--|
  2. スポンサー広告

主観の役割は何か

共感覚は研究者のみならず、体験する当事者本人にとっても非常に興味深い現象だ。
実際、自らの知覚世界についての洞察を深めたいと考える者が多いのもこのゆえだろう、
既存の学問領域の枠組みを遥かに飛び越えた議論を呼び起こすのが共感覚ではないか。
知覚現象を探究する、これはとても奥の深い行為であると同時に曖昧な要素も含んでおり、
主観と客観の間を行き来することでしか得られないものもあるのだろうと私は感じている。

個人的見解を述べるならば、共感覚者自身が学術的に共感覚を研究するには限界があり、
主観性に付き纏う"盲目さ"はともすれば危険な方向性を生み出しかねないと思うところだ。
科学的検証を含まない研究となれば尚のこと、現実として自分個人の共感覚探究となれば
一人間の生涯における純然たる自己実現、との自覚を決して忘れてはならないのだろう。
共感覚が強ければ強いほど客観性は薄まっていく、これは言うまでもなく自明の理だから。

そうして捉え直すと、このブログは何のための記述か。当然、独白に過ぎないのである。
これに付け加えて申せば、共感覚が個人的感覚だからこそこの記述に意味がある、と。
共感覚者の体験とは当事者間であっても時として自意識過剰にさえ感じられるものであり、
こういった"マイノリティ集団の法則"を知らない第三者から見れば非常に奇異と映るだろう。
いや、実際に社会的な視点から見据えるならばその見方は何等歪みのない正当なものだ。

現状として、「共感覚とは・・・」との定義を確定するにはこれから半世紀掛けても足らない。
ヒトの意識について一時代の人間集団には到底分かりようがなく、仮に「分かった」としても、
検証するには想像以上の技術革新と辛抱強さが求められるのではないかと私は思うのだ。
ここで一共感覚者として私に出来ることを挙げるとすれば、研究への主体的参加があろう。
そして、研究参加への根本にある日常的な共感覚体験、これも当然忘れるべきではない。

共感覚者個人の体験、すなわち現実の知覚なくしてその研究も何もあったものではなく、
純粋な感覚の尊重やそれに付随する感性の表現は何物にも勝る共感覚の証拠となろう。
どんな学説だろうと、当事者が知覚している対象を研究者側が簡単に欺くのは許されず、
逆に言えば、共感覚はそういった証明の難しさを持ち合わせた現象と言わざるを得ない。
意識に上りもしない無数の知覚信号を束ね合わせた感覚、何人も解けやしない謎だ。

真の意味で共感覚を尊重するのであれば、その証明は科学抜きには達成され得ず、
同時に、当事者一人ひとりの個性を跳ね除ける論理に結び付けるのも相応しくはない。
事実、一昔前までは断定口調だった研究者でさえもその姿勢を徐々に変化させており、
今では"収束よりも発散を好む"共感覚の扱いに日々頭を悩ませているのではないか。
冗長的な体験談の羅列に驚く非共感覚者もあろうが、それが共感覚の日常の姿なのだ。

身体と結び付いた感覚である。私自身、全くの客体として共感覚を眺めることはない。
しかしながら、他者との対話の中で客観的に比較検討し、議論を深めることはできよう。
事例となっても主体性を失うことがないのは共感覚の特筆すべき点ではないかと感じる。
脳画像であろうと色彩の指標値であろうと、知覚する本人なしには決して数値にならない。
これは主観的知覚である共感覚の醍醐味か。探究される対象は、あくまでも"個"である。

hiroku tohku tunagaru yohni
  1. 2009/04/28(火) 22:50:36|
  2. 共感覚/synaesthesia
  3. | コメント:0
<<色彩和平協定の故郷 | ホーム | 聴く色彩、見る色彩>>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

プロフィール

178773

Author:178773
ある共感覚者のひとりごと。

カレンダー

10 | 2017/11 | 12
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 - -

最近の記事

月別アーカイブ

カテゴリー

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

ブログ内検索

RSSフィード

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。