seek for sounds, step into forms...

* * * * * 色とともに生きる共感覚者から * * * * *

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平面への憧れ、空間への望郷

文字に色を感じる共感覚。色聴と共に、もはや共感覚の代名詞的な存在なのではないか。
他の共感覚者に「どんな共感覚を感じますか」と尋ねれば、文字→色、音→色・・・といった、
非常に"分かり易い分類"をもって説明してくれる。当事者間では挨拶代わりにもなる事柄だ。
がしかし、文字→色や音→色の共感覚はある地点に到達すると疑問を生じさせる話ともなる。
というのも、"色"だけを純粋に感じているとなれば、どこか不自然なこととはならないか、と。

人類が文字を使っているのは高々5千年程度と言われているが、現代の日本社会に居ると、
ともすれば文字の読み書きを行なえること自体が"標準"となり、疑うこともなくなってしまう。
具にたどっていけば自明なことだろうが、文字そのものは"言語を演じる形態"に他ならない。
そして、純粋に歴史を溯って行けば文字→色の共感覚が新進気鋭の部類に入ることも判る。
文字表象を使うことなしに、この共感覚は生まれ得たのか。果たして、現実は何を語るのか。

注意深い共感覚者ならばとうに気付いていることだが、文字→色の共感覚と一口に言っても、
発音→色から派生した色であったり、純粋に形だけに色彩を知覚している場合・・・と様々だ。
純然たる連想とはまるで別物だが、言葉そのものに宿る人格・イメージの色彩が他の表象に
跨って同じ共感覚色として現れることは、数の概念→色といった部類からも理解出来そうだ。
"Actually, where do you come from?"と共感覚の出自を問い直すことは興味深い。

子どもの頃はより強く、多くの共感覚を感じていたと口にする共感覚者は殊の外多いもの。
私含め成人以後に逆に強まるような例は無きにしも非ずとはいえ、大概は前者ではないか。
"共感覚"という用語の下に自らの知覚を認知するのが何時なのかも関係するのだろうが、
地が固まる前の共感覚の飽和状態を追体験するような機会は、別の意味で新鮮さを持つ。
太平洋プレートの移動とまでは行かなくとも、共感覚は時と共に"動く"知覚現象だと感じる。

本来、五感の壁を知らない世界で起こる共感覚である。私からしてみれば、文字→色で言う
色彩は世間一般で考えられている色彩とは大よそ異なる閾に住む代物と思えて来るものだ。
では、いったいその色彩は何物で、なぜ"色"だと言えるのか。なぜ"別物"と感じられるのか。
共感覚の色とは光であり、そこには温度や質感、重さ、感情が在る。と同時に、同一性が在る。
がしかし、色相のような社会的な色彩の概念とは相容れない点では似て非なる色なのだろう。

複数の感覚情報が出合って初めて共感覚は生まれる。実験等で「この文字は何色ですか」
と尋ねられた瞬間というのは、現実には国境を跨いで行き先を決め兼ねている状態に近く、
"文字には色もあれば、質感もある。この文字には味と空間性があるので特定の色はない"
と答えても構わないのだが、この回答がどんな結末を生むかは触れなくても明らかだろう。
"何色"と言うにしても、全体的に見れば共感覚情報の数%だけに留まっているということだ。

そういう点では"文字→色は感じますか?"という質問自体、"木を見て森を見ず"なのだろう。
私自身、文字を含む2次元平面の統合画像が上手く見えていないことも関係しているのか、
初めて共感覚者とこの"挨拶"を交わした時には、何か決まりの悪い思いをしたものである。
文字の共感覚を一般的な色名で語るのはどこか"フラット"で、寂しさを覚えるものではないか。
共感覚者間では、せめて囲いを飛び出したい。現実の世界へようこそ、と言わんばかりに。

mayoeba mayou hodoni
  1. 2009/09/19(土) 17:24:06|
  2. おとをみる いろをきく
  3. | コメント:0
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