seek for sounds, step into forms...

* * * * * 色とともに生きる共感覚者から * * * * *

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The Dancing act I

いつ頃から共感覚を絵として表現し始めたのだろうか、と時折過去を振り返ることがある。
実を言えば確かな記憶が無かったりする。色鉛筆を握れるようになった頃から、というのも
強ち間違いではないし、もっと後に音楽を聴いてコラージュに仕立て上げた時かもしれない。
心が渇望して意図的に表現し出したのは十代半ばだが、当時何か特別な出来事によって
触発されたような記憶もない。何とか外に出さなければ、との使命感を感じたのは事実だが。

自分が共感覚者と認知して少し経った頃のこと、疑問に思って随分と悩んだことが一つある。
それは何かと言えば、"なぜ共感覚者はこんなに多いのに、表現する者は少ないのか?"と。
当時はそこまで共感覚の知識が在った訳でもない、当事者間に多様性が在ることさえ知らず、
そうと名乗る人たちには一様な知覚体験が在るものなのだと勝手に思い込んでいた。がしかし、
時が経つに連れて、共感覚者同士で差異があることにも深い意味があるのだと悟ることとなる。

海外のサイトで、共感覚者は"心の眼(Mind's eye)"で文字の色等を感じている、と読んだ時は
正直なところ、言葉の意味を理解出来なかった。後になってこれがnon projectorの主張だと
知って初めて合点が行ったのだが、共感覚の感じ方にもいろいろ存在するということになろう。
私自身はprojectorと言って、共感覚に強い空間性や質感が伴っているため、感覚そのものも
内的な知覚とは到底思えず、より外的な事象に近いと感じる。無論、網膜には映らないが。

実際にはprojector云々に拘わらず、共感覚そのものは主観的で内的な知覚とも解されるが、
仮に自分の共感覚に空間性が伴わなかったら、恐らく表現活動にも結び付かなかったと思う。
"内部にしかない筈の共感覚を身体の外側に感じる"、これは見方を変えれば自己矛盾であり、
他者にはそれがないと判れば尚のこと落ち着かない(別段、彼等が感じていても構わないが)。
幼少期に言語との距離が大きかったこともあろう、その葛藤を絵にせざるを得なかったのだ。

そもそも、共感覚それ自体が違和感を生むこともあるためか、表現する対象(object)そのものも
"違和感それ自体"ということになる。なぜこの色彩を感じるのか、なぜ目には見えないのかetc...
そういった疑問を如何にしてカタチにするか。言うなれば、これは純粋な自問自答の意味もある。
表現手法は人によりけりで、私はその点では「見たまま」を表現してはいないと言えそうだ。
どこかで"問題提起"を趣旨としているがために、結果論としての芸術表現は半ば放棄している。

学術的な関心が建築の計画論や構法に傾いていることからするに、私自身の感覚と感性は
時折"破断した構造体"如き様相を覗かせる。共感覚の表現ともなれば、尚のことそう言える。
では、どうしてそこで敢えて表現を試みるのか。それは言わば、隠れた同一性への憧憬である。
あたかも感覚と感性が一体であるかのように演じ尽くすことに快感を覚えており、それと同時に
新たな地平を旅して来るようなものではないか。"共感覚的演技"とはそういった事柄である。

然もアヤシイ響きを持った話に聞こえるだろうか。いや、現実の創作風景は至って平凡だろう。
文字の色を延々描き込んでいったり、音楽を色で配置することには、実際、神秘の欠片もない。
自分の知覚した色彩を、他者に別次元で"感覚デリバリー"していることは大概はバレないもの。
何でも、これではコスプレ趣味に聞こえるが、ヒトとは思いの外"見掛け"に弱い動物なのである。
無論、"届けた"後の私には他者の評価などどうでも良くなっている。感覚を解き放ったのだから。

Licht en Lucht
  1. 2009/10/09(金) 18:53:54|
  2. 共感覚/synaesthesia
  3. | コメント:0
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